「No.1アナリストがいつも使っている投資指標の本当の見方」を読んでみた。

さて、為替が110円台になってしまいましたね。これはまたしばらく、日経平均が下がってしまうでしょうか。んー、今後、為替がまた円安方向に動くと考えるなら、今が株の買い時でしょうか。為替予想は難しいですね。

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今回の本はタイトル通り、投資指標について細かく説明をしてくれている本になります。PBR、PER、ROEなどのメジャーどころはもちろん、EV/EBITDAやPCFRなどのあまり見かけないような指標についても細かく説明があります。
説明はわかりやすかったですが、正直、指標の解説だけなら他に何個か書物はありますし、あまり目新しさはなかったですね。
この本の内容で面白かったのは、以下の3点ですね。
① 低PBRなどの株で利益が得られるというが、実際に本当なのか過去のデータから検証されている。
② PERやROEなどの指標について、業種ごとの平均値が記載されている。
③ 投資のスタンス(短期、中期、長期、超長期)によって、どの指標を使うべきかが記載されている。
まず、①についてですが、低PBRは割安だといわれますが、本当に低PBRの株に投資して儲かるのかといったデータや、長期で投資する場合、低PBRと低PERどちらのほうが儲かるのかなどを検証しています。
この結果を見ると、実際に低PBRの株に投資するのはリターンが期待できるようです。毎年年末にPBRの低い銘柄を下から30銘柄購入した場合(年末ごと確認し売買を行う)、どの程度のリターンがあるのかを検証したところ、毎年平均22.3%のリターンが得られており、30年続けた場合トータルのリターンが500%を超えるといった結果が出ております。
その他にも、低PERな銘柄だけで購入する場合も、実績PER、予想PERどちらで購入したほうが、利益が上がるか、低PERの銘柄だけ購入した場合と低PBRな銘柄だけを購入した場合、どちらのほうが、リターンがあったかなど様々な検証を過去の株価データから検証しています。
②は、説明のままですね。一般的にPERは15以下であれば割安、ROEは8%以上なら優良と言われますが、これらの指標は業種ごとにかなり平均値が異なります。例えば、医薬品業はPERの平均が約30になるのに対し、鉱業は平均が約11と大きな開きがあります。「PERが15以下、割安だ!」と思って買っても、その業種の平均から見ると実は割高な銘柄かもしれません。
最後に③は、それぞれのスタンスに応じて、どの指標を重視して銘柄を餞別すればいいのかが記載されています。短期は一年未満、中期は一年から三年、長期は三年から七年、超長期は七年以上を想定したものになっており、中期はPERを、長期・超長期はPBRを重視すべしといった内容がその理由とともに記載されています。
短期の投資は、足元の景気状況(拡大期、山、後退期、底)によって使う指標を変えていくように記載されており、なぜ景気状況よって指標を変えるべきなのか、こちらもしっかり書いてあります。ただ、残念なことに、今が景気の山なのか、底なのかの判断方法については明記されていませんでした。
唯一記載されていたのは、過去の景気のパターンから予想することと、内閣府の発表する景気動向指数(http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html)から判断していくことですね。
読んでみて思うのは、投資指標の効果を十分に利用するには、少なくとも一年は保有するつもりで買うほうがいいようです。一応本書にも一年未満の取引における活用方法について書かれてはいますが、景気の動向についての判断が難しい。正直、短期取引するなら、デイトレードのように極端にしたほうがいいような印象を受けました。
最近、買い方についての本はだいぶ読んだので、そろそろ売り時についての内容に移りたいところ。理論株価で目標価格を設定して、売り時を測るべきか、チャートなどのテクニカル分析の考えで測るべきか悩ましいところです。

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