「勝ち続ける個人投資家のニュースの読み方」を読んでみた

今回は、株で勝つためにいかにして情報を集めるかについての話。情報を制する者が世界を制するのだ。

ニュースの読み方とは書いてありますが、この本の内容としては、ニュースを読み理解するために、2006年以降(サブプライム危機以降)の世界経済の流れを学ぶための内容がメインでした。

今まで何となくしか分かっていなかった、サブプライム危機がなぜ起こったのか、なぜあれほど大きな問題となったのか、といった内容がわかりやすく簡潔に書かれています。この本は、経済の勉強をほとんど知らない素人が読んでもわかるように、かなり簡単に、かつ、細かいところまでしっかり説明がされているので、読みやすかったですね。

いま経済で大きなニュースとなっている、米国利上げ、原油価格、量的緩和など、これ一冊でだいたい網羅できるのではなかろうか。

個人的に一番ためになったのは、日本の量的緩和の項目についての内容ですかね。ここの内容を読むと、日本の量的緩和の目的と、今話題の日本のマイナス金利についての理解を深めるきっかけになるかと。

日本の量的緩和は銀行の持っている国債を買い取り、銀行に融資を促すこと目的としていた、と本書には書かれています。本来銀行は、企業にお金を融資し、その融資したお金の利子で利益を得るのが経済を回していくための理想ですが、日本の銀行は企業に融資せず、国債の利子で利益を得ていたため、お金の循環が銀行で止まっていたことが、日本の長らく続く不況の一つの理由であったのだとか。

日銀は、量的緩和を行うことで、銀行が国債からの利益を得られないようにして、融資で利益を上げざる得ない状況にしたかったわけですね。

ただ、この量的緩和、日銀の考え通りにはいかなかったようで、日銀が銀行から買い取った国債のお金のほとんどは、融資には回されず、日銀当座預金(銀行が日銀に預けているお金)に回されたことが本書のグラフから示されております。

日銀が量的緩和を行ってから、日銀当座預金は約5倍にまで増えており、結局銀行は融資ではなく、日銀に預けたお金の利子で利益を上げるようになっていたようですね。

今回日銀が、マイナス金利を導入したことで、銀行は日銀に預けている利子から利益を上げることが難しくなりました。今後、欧州のようにマイナス金利を0.1%からさらに大きくする可能性や、適用される範囲が拡大される可能性を考えると、銀行はこのまま日銀に預け続けるなんてことはできなくなるでしょう。

加えて、国債が現在大きく値上がりしています。これは、本書に記載されている、欧州の量的緩和で見られた現象と同じでしょう。国債が値上がりしても、銀行が買い取ってくれる期待が大きいため、みんなが国債を欲しがり、結果、国債の値段が上昇した。

国債が値上がりすると、利回りが下がります。つい最近、日本の10年国債利回りがマイナスになったなんてニュースが流れました。

こんな状況では、銀行は、国債でも日銀当座預金でも利益を上げられない状況になったのではないでしょうか。まだマイナス金利の適用範囲が狭いので、劇的な変化は無いでしょうが、銀行はこれまでの体制から変化していかないと、経営していけなくなってしまうでしょう。

調べてみると、マイナス金利の適用は今月の16日、2016年2月16日からです。すぐに銀行の体制が変化するとは思えませんが、もし、銀行が融資を拡大し、市場に本当にお金が回りだし、量的緩和の効果が出てくれればいいなと思います。

正直、マイナス金利なんて普通の状態ではないので、デメリットもいっぱい出てくるのでしょう。もう難しすぎてこれについてはもう少し勉強してまとめなければいけませんね。欧州ですでに実施されているので、そこから調べてみますかね。ATM手数料が上がっているといったような話ぐらいは聞くのですが、、それ以外はあまり知らないですし。

にしても、なぜマイナス金利を導入するうえに、借金まみれの国のお金をみんな欲しがるのでしょう?まさか数日で1ドル113円まで進むとは。私の持っている株でも、1ドル115円として利益予想をしていたので、113円まで進んでしまうと、いろんな企業が利益予想を変更せねばならんでしょうね。

マイナス金利の導入発表直後に株価が急上昇した時に、ある程度利益確定しておいてよかった。にしても、こんなに乱高下するとは思わなかったなぁ。

取りあえずこの本を読んで以降、銀行の融資が増えていくかどうかは、注目していきたいなと思うようになりました。

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